先天性サイトメガロウイルス感染症とサイトメガロウイルスワクチンの話題

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先天性サイトメガロウイルス感染症の検査:IgG Avidityとは?

従来の血清学的な方法では、サイトメガロウイルス感染における母体の初感染の証明には課題が多かった
という事実があります。

 

 

妊婦のサイトメガロウイルスの検査の流れ

 

 

 

 

でも確認できますが、まずIgGを測定した後、次にIgMを測定することになります。
ここまでの検査は以前から可能でしたが、IgM陽性といっても、
persistent IgMと言って、感染からしばらく時間が経過していても、
IgMが陽性に出ることがあるため、IgM陽性=初感染、
とは判断できないわけです。

 

 

実際、IgM陽性の7割は本当の初感染ではないといわれています。

 

 

そこで、最近ではIgG Avidity(アビディティー)を測定する試みが行なわれています。
Avidityとは、簡単に言えば抗原と抗体の結合力の総和のことです。

サイトメガロウイルスIgG Avidiry測定でわかること

サイトメガロウイルスに感染すると、
体内では抗体が産生されていきます。
その抗体のうちの一つがIgGです。

 

 

感染の初期においては、まず抗原と低親和性の抗体がまず産生されます。
その後感染の経過に従って、次第に高親和性の抗体が産生されていくのです。

 

 

Avidityは抗原と抗体の結合力の総和、でしたね。
つまり、感染してから時間が経つにしたがって、Avidityは強くなっていくのです。

 

 

この、感染からの時間経過でAvidityが変わる、
という点が妊婦の初感染か既往感染か、の鑑別に役立ちます。

 

 

もしもAvidityが弱ければ、感染してからあまり時間が経っていないだろうと考えられます
すなわち母体は初感染である可能性が高いと言えます。

 

 

Avidityを測定することで、母体のサイトメガロウイルス感染時期を推定することができるのです。

 

 

ただし、ここで一点注意点があります。
それはAvidityを検査する時期です。

 

 

サイトメガロウイルスIgG Avidityの検査時期

IgG Avidityによる初感染の判定基準の目安は、
妊娠25週以下での採血で35〜45%以下。

 

 

とされているのです。

 

 

つまり、妊娠経過が進んでしまってからでは、
たとえIgG Avidityを測定しても、
そしてIgG Avidityが高値であったとしても、
初感染を否定することはできないのです。

 

 

私が経験した症例では、
前医からサイトメガロウイルスIgM陽性で紹介され、
しかし既に妊娠30週を経過しており、
IgG Avidityを調べるにも時期が経過しすぎていました。

 

 

結局妊娠中の検索はそれ以上は行わないことになり、
新生児の尿で調べるかどうか、ということになりましたが、
そもそもこの児は胎児期および出生後も、
先天性サイトメガロウイルス感染症を疑うような所見はなく
無症候性であったので、診断したとしても治療対象にはなりません。

 

 

非常に悩ましいのです。
IgM陽性であるのだから、親は当然ながら不安です。
だが診断したところで治療するわけでもない。
そもそも治療も保険が効かず現実的ではない。

 

 

明らかに症候性であるもの以外で診断を積極的に進めていく理由が、
現時点であるのでしょうか?そこに非常に疑問を感じます。

 

 

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