先天性サイトメガロウイルス感染症とサイトメガロウイルスワクチンの話題

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先天性サイトメガロウイルス感染症の症状と母子感染

 

妊娠中にお母さんがサイトメガロウイルスに初感染すると、
胎児に先天性サイトメガロウイルス感染症を発症することがあります。

 

 

先天性サイトメガロウイルス感染症の症状は、

 

 

●出生児の低出生体重                       

●肝脾腫
●肝機能異常
●小頭症
●水頭症
●脳内石灰化
●紫斑
●血小板減少
●貧血
●黄疸
●網膜症
●白内障
●肺炎
●痙攀

 

 

などがあります。

 

 

また、出生時に無症状であっても、
半年以上経過してから難聴、精神や身体の発達の遅れ、運動の障害を起こすことがあります。

 

 

先天性サイトメガロウイルス感染症は、胎内での診断という点を絡めて考えると、
非常に対処が難しい疾患であると思います。
以下の図をご覧ください。

 

 

 

 

妊婦が初感染しても胎児が感染する可能性は40%、
6割は感染しないのです。

 

 

そして、胎児に感染したとしても、
その8割は無症候性です。
無症候性のほとんどは正常発達していきますが、
しかしながら後に難聴や精神発達遅滞をきたすリスクが
10%程度はある、ここが悩ましい部分です。

 

 

現状、無症候性の先天性サイトメガロウイルス感染症は、
厚生労働省研究班が作成した治療プロトコールに従えば、
治療の対象になっていません。

 

 

治療の対象にならないものを診断してどうするのか?
それを何と親に説明すれば良いのか?

 

 

サイトメガロウイルス感染症についての妊娠中の感染予防を啓蒙するのは
十分に価値があることだとは思いますが、
難聴進行のリスクを軽減できる可能性がある治療法があるとはいえ、
感染が成立した児のほとんどが治療対象となっていない現状では、
無症候の胎児についての診断を進めることは、
児の親、のみならず医療者側をも混乱させる結果になることも
あり得るのです。

 

 

この辺の「スキマ」領域へのガイダンスはありません。
個別・個別で対応していくしかないのでしょう。

 

 

現に、私はこうした症例を経験しています。
前医にてサイトメガロウイルスIgM陽性、しかしIgG Avidityを検査するには
時期が経過しすぎている。しかも、児は全くの無症候。
出生後も何ら症状なし。
この児に対してサイトメガロウイルス感染の診断を進めるのか??
進めたとして、感染が否定されればそれでよし、ですが、
感染があった、という判定であればどうしたらよいのでしょうか?
無症候性ですから治療対象にはなりませんし、
そもそも何ら問題なく成長していく可能性の方が高い。
感染が証明されれば、親は難聴や発達障害の不安を抱えながら
育児をしていくことになるでしょう。

 

 


 
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